ゴンドワナ

世界遺産 オーストラリアのゴンドワナ多雨林群

GONDWANA RAINFOREST OF AUSTRALIA

オーストラリアのゴンドワナ多雨林群

オーストラリア・ゴンドワナ多雨林群は、クイーンズランド州東南部とニュー・サウス・ウェールズ州北東部の広範囲にわたる大森林地帯であり、総面積は36万6507ヘクタールにも及ぶ。50以上の保護区があり、16カ所の自然資源が一括して世界遺産に登録されました。
亜熱帯、乾燥、温帯、冷帯のそれぞれに属する植物が植生する珍しいエリアとなり、世界最古のシダ類や170種を超える絶滅に瀕した植物群など、貴重な植物を数多く見ることができます。また、約37種のコウモリ、約270種の鳥類、約75種の哺乳類なども生息しています。

孤立した大陸オーストラリア

オーストラリアは、何億年も前はゴンドワナランドと呼ばれる超大陸の一部でした。この巨大大陸には、現在のアフリカ、中東、南アメリカ、インド、南極、オーストラリア、ニュージーランドが含まれていたと考えられています。約6500万年前この大陸は、南極大陸と分裂。その後、北上するも他の大陸とはぶつかることなく、約5500万年前にニューギニアと切り離され、オーストラリア大陸は孤立しました。

オーストラリアに今なお残る太古の森

約5000万年前、オーストラリアが他の大陸と離れ孤立した頃は国土面積の100%が多雨林で覆われていました。ところが北上するにつれて乾燥化が進み、熱を帯びた風が吹き荒れ、自然発火を頻繁に起こしオーストラリアの生態に変化を与えてきました。自然発火することで種を地面に落とし、芽吹しながら子孫を繁栄させるユーカリ属や、有袋類の育児のう(未熟な乳仔を育てるための袋)の発達は、山火事の多いこの地でも子孫を残していけるように進化したと考えられています。
現在、オーストラリアの国土は約85%が水のない涸れ川、塩湖の残る砂漠や土漠(乾燥地帯の岩の多い不毛の地)となり森林面積はわずか約5%、さらに多雨林の面積は0.3%未満しかありません。希少種及び絶滅危惧種の動植物が生息しており、太古の時代から生息している脊椎動物や無脊椎動物が発見されています。進化できずに残された動植物や環境に適応することで生きながらえた動植物たちの太古の森がここにあります。
オーストラリア・ゴンドワナ多雨林群は、1億3000万年ほど前のゴンドワナ大陸から続く世界最古の森の姿を垣間見ることができる大変貴重な場所である事は間違いありません。
大陸